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選挙では「消費税を減税します」と訴えていたはずなのに、いざ減税法案が国会に提出されると反対する。
いったい、どういうことなのだろう。
2026年11月6日、食料品の消費税率を引き下げる法案が衆議院で可決された。ところが、採決では野党各党がそろって反対に回ったという。
このニュースを見て、私は何とも言えない苛立ちを覚えた。
今年の衆議院選挙では、多くの政党が消費税の減税や廃止を公約に掲げていた。食料品の税率をゼロにするという党もあれば、消費税全体を5%に引き下げるという党もあった。
もちろん、それぞれの政策には違いがある。
それでも、国民の税負担を軽くするという方向性は共通していたのではないか。
今回、政府が提出した法案は、2027年4月から2年間、食料品の消費税率を現在の8%から1%に引き下げ、残る1%相当分を中・低所得者への給付で補うというものだ。
選挙で掲げられた食料品0%とは異なるし、給付制度の具体的な内容も十分に決まっていない。
野党側が財源や制度設計について問題を指摘していることもわかる。国民民主党は、2年後に税率が戻る際の中間層への影響を懸念し、別の減税案も示している。
だから、今回の法案に反対したことだけをもって、減税そのものに反対していると決めつけるのは正しくない。
しかし、それでも私は納得しきれない。
選挙で国民に減税を訴えていたのであれば、今度はそれをどう実現するのか、具体的な道筋を示してほしい。
財源が問題なら、どこから確保するのか。給付の内容が不十分なら、どのように修正すればよいのか。そして、いつになったら国民の負担は軽くなるのか。
反対する理由だけでなく、その先の答えを聞きたいのである。
そして今回、もう一つ引っかかったのが、自民党の小渕優子議員の発言だった。
小渕議員は、消費税が自民党の先輩たちの大変な苦労によって作られた大切な制度であると説明し、財源などへの懸念が払拭されていないとして、採決に参加せず退席した。
反対票を投じたわけではない。その違いはきちんと理解しておきたい。
だが、私が気になったのは「先輩方の苦労」という部分だ。
確かに、消費税の導入には大きな政治的決断が必要だったのだろう。社会保障を支える財源として、重要な役割を担っていることも否定しない。
しかし、先輩政治家が苦労して作った制度だからといって、今の時代に合わせて見直してはいけないのだろうか。
制度を作った人たちの功績と、その制度が現在の国民にとって適切かどうかは、別の問題ではないか。
物価が上がり、食料品を買うにも負担を感じる。そんな暮らしの中で、政治家の先輩への思いを聞かされても、私は素直に納得することができない。
私は、国の財政を無視してでも減税すればよいと言いたいわけではない。
減税によって税収が減れば、医療や年金、社会保障にどんな影響が出るのか。それも重要な問題だ。
だからこそ、政治家には財源の問題と国民生活の両方に向き合ってほしい。
それは与党にも野党にも言えることだ。
与党もまた、選挙で掲げた食料品0%という方向性から、なぜ今回の1%と給付の組み合わせになったのか、国民に説明する必要がある。
政治家の仕事は、過去の制度を守り抜くことだけでも、相手の法案に反対することだけでもないはずだ。
国民の生活を少しでも良くするために、どうすれば実現できるのかを考えることではないのだろうか。
正直に言えば、今の国民生活を前にして減税に反対する姿を見ると、「国民の敵ではないか」とさえ言いたくなるほど腹立たしく感じる。
しかし、本当に問うべきなのは、反対した議員が敵か味方かということではない。
選挙で約束したことを、政治家はどこまで実現しようとしているのか。
そして、その政治判断は、本当に今を生きる国民のためになっているのか。
私は、その答えを知りたい。
2026年11月8日現在、法案は衆議院を通過した段階であり、まだ成立していない。
これからの参議院での審議で、各党がどんな判断を下し、どんな説明をするのか。
選挙のときの言葉だけでなく、その後の行動もしっかり見ていきたいと思う。


