第3部 国民の声で政治を変えられるのか?

第3部 国民の声で政治を変えられるのか? 政治
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それでは、国会議員ではない私たち国民自身には、いったい何ができるのだろう。

たとえば、総理大臣の辞任を求める署名が何万人分も集まったとしよう。それを提出すれば、総理大臣は辞めなければならないのか。答えは「いいえ」だ。日本には、国民の署名や投票だけで総理大臣を直接解任する制度はない。だからといって、国民の声に意味がないわけではない。

まず、選挙がある。私たちは総理大臣を直接選べなくても、国会議員を選ぶことはできる。選挙の結果、議席の勢力が変われば、政権の運営や総理大臣の進退にも影響する可能性がある。ただし、一票を投じれば直ちに首相が交代するという単純な話ではない。

選挙以外にも、意見を届ける道はある。憲法第16条は「請願する権利」を保障している。国会への請願は、紹介してくれる議員を通じて提出する正式な手続きだ。一方、街頭やネット上で集める署名は、それだけで国会に何かを決定させるものではない。声を届けることと、決定を義務づけることは違う。

デモや集会、SNSでの発信も、憲法第21条が保障する表現の自由に関わる。世論調査の結果が報じられれば、政治家が支持の広がりや不満の強さを意識することもあるだろう。しかし、投稿の拡散数や支持率によって、内閣が自動的に辞めるわけではない。

つまり、国民の声は政治を動かすきっかけになり得るが、必ず結果を生む魔法の命令ではない。それでも、選挙で意思を示し、意見を届け続ける道は開かれている。

では、そもそも日本では、なぜ総理大臣を国民が直接選べないのだろう。

私たちの声は、本当に政治に届くのでしょうか。『そもそも民主主義ってなんですか?』は、選挙や議会だけにとどまらず、民主主義と私たちの暮らしとのつながりを考える一冊です。政治への疑問を、もう少し掘り下げてみたい方に。


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